5日目〜下北半島一周〜

5:30起床。
荷物をまとめて、6:30出発。

まずは、恐山をめざす。
7:00恐山着。
さすが山寺、早朝にもかかわらずすでに門は観光客に開かれていた。
人の少ない恐山をプラプラと散策する。
看板を読むとなんでも「地蔵=不動明王」らしい。
なにかで、閻魔大王=地蔵というのも読んだ気がする。
そのへんはどうなってるのだろう。一度は仏教関係の基本書を読もうとおもっているのだが、なかなか手に取る機会がない。もっと知ってれば、寺めぐりも楽しいのに。

恐山は、荒涼とした風景と、いたるところにある積石、そして色鮮やかな風車が印象的だ。

しかし、風車が水子供養だと知った瞬間に、ぞっとしたものに見えてくる。
目前の宇曽利山湖の水面がけぶっているのも神秘的だし。

小一時間で散策をおえ、いよいよ下北半島一周のルートに入る。

実はこの時点で自分のモチベーションはかなり下がっていた。
今回の旅は特に目的を持たず、テント泊で海岸線を一筆書きしようと考えていた。
しかし、勤勉な日本人である自分は旅が近づくにつれなんとなく目標を設定していた。
それは、
・龍飛岬にテントをはる。
・ウニいくら丼を食べる。
の2点である。
そして、昨日の時点でこの目標は達成されていたのである。
さらに、休暇の残りも少なくなってきていた。
つまり、ここから先は「おまけの旅」なのである。
なんとなく気持ちが乗らないのだ。
しかし、「一筆書きせよ」という内部の声に強制されるかのように黙々と運転を続ける。

下北半島の海岸線は大部分が険しい山道である。
つまり、距離が稼げないので、運転時間が長い。
IPODをランダムで流しながらすこし急ぐ。
そして第一のポイント「仏ヶ浦」に到着。
駐車場から海へ歩いていく。
どっこいこの道が長かった。
片道約18分の急坂。
しかし、海は・・・きれいだ。
透明度が半端ない。
多分、周囲が岩場であるため、水が濁らないのだ。

たしかバルセロナの海もこんな透明度だったなどと思いつつ駐車場へ帰る。

再度、山道を運転して、ついに本州最北端の大間崎に到着。
こんなとこまでマーチでくるバカはいないだろうと、ひねくれた満足を感じながら車を止めると、向かいに山口ナンバーのボロマーチがやってきた。
そして、大学生風の男が一人でフラリと降りた。
うむ。
負けた。

というのはおいといて、ついに最北到達だ。

ついでに昼飯。
二日連続で魚介。
本日は「ウニいくらアワビ丼」(2000円)



この時点で、急に下痢に襲われる。
原因は不明。
考えられるとすれば、疲労と旅のストレスか。
しかし、強行突破で一筆書きを続ける。
が、20分走ったところで、凄い眠気に襲われる。
いそいで、ローソンの駐車場に避難し、シートを倒して仮眠をとる。
この旅はじめての仮眠だった。
30分ほど寝て復活。
もう、東の先にある尻屋崎は諦めて、むつ市に戻ろうと決める。
一筆書きはここまでだ。
よし、出発。

しばらく行くと、道路標識が出ている。
むつ市と尻屋崎の分かれ道だ。
心に強く命じる「体調不良だ。無理せずむつ市にかえるぞ!」
しかし、体がいうことを聞かなかった。
気が付くと入道崎方面にハンドルを切っていた!
もはや自分の内部の声には逆らえないと悟り、一筆書きを続行することになった。
しかし、ここからの道が大変だった。
なんと未舗装道路がたびたび出てくるのだ。
しかも悪路と知れ渡っているせいか、この海岸に近い道はほとんど車が通っていない。
それに加えて、下痢が再度襲ってきた。

すばやく考える。

いままでのペースで行けば5キロ以内には公衆トイレがあるはずだ。
普通に走れば、間に合う。
しかし、いまオレは未舗装道路を走っている。
あと15分はたどり着けないだろう。

どうする、オレ?

幸いここはほとんど交通量がない。
トイレットペーパーも持っている。
おお、左側は森じゃないか。
よし、やろう。

というわけで、森に分け入る。
軽くしゃがむ。
うん?足元がゴツゴツしとるな。
うっ、テレビや冷蔵庫がころがっとるじゃないか。
ここは・・・不法投棄の森だ・・・
しかし、もはやオレのアレは限界をむかえていた。
パンツをおろし、(以下、自主規制)

すっきりとしたところで、旅を続行。
予想どうり、15分以内に公衆トイレは見つかった。
そして、尻屋崎に到着。
本州最果ての地と書いてある。
ここは牧草地になっていて、馬がプラプラしたりして、最果てというより、気持ちよい草原のようなところだ。



さて、ここからは折り返しとなる。
日本海にさよならして、こんにちは太平洋だ。
一路、南下する。
ひたすら走り、原発で有名な六ヶ所村などを通りつつ(ここは道が凄くよかった)、三沢市へ。
ここで、一筆書き自体は終了。
新潟の村上市三沢市
これが今回制覇した一筆書きのルートとなった。

今晩の宿は、小川湖畔キャンプサイトだ。
管理されたキャンプ場に泊まるのは、この旅で初めて。
最初は2100円のサイトを指定されたのだが、話を聞いていると200円のサイトもあるというので、そこにテントをはる。
夕暮れなんぞをみる。

そして、風呂へ行き(150円だった!)、食堂でしじみラーメンとビールを食し、眠りに就いたのであった。