旅3日目

旅を記録するのは、書いていてもあまり面白くなかったりする。
なぜだろう?
とりあえず、書き始めたから、最後まで行こう。

起床。
昨晩はひどい頭痛で、チャリもきつい状態であったが、グッスリ寝たため、快調。
3日目ともなると、ようやく現実から離れて旅の開放感がでてくる。

まずは朝食。
本日は酒井の漁港にて、朝定食を食らう。
海の幸満載。
朝から凄いボリュームだ。
とくに脂ののった魚でだしをとった味噌汁が異常に旨い。
目の前には、飛島へ向かう高速船。
昨日は飛行機を見ながら。
本日は船を見ながらの朝食となった。
旅に来ているのに、ターミナルにいて、他の誰かの出発を見るというのも、なんだか面白い。

で、本日からは折り返し。
予定では深夜には帰宅。
とりあえず往路を戻る。
途中、鶴岡により本間邸を見学。
地元の豪商にして名士らしい。
そういえば、この街では「本間ゴルフ」とか「ホンマメガネ」とか「本間〜」という看板を多く見かけた。

で、次は湯殿山
有料道路をとおり駐車場へ着く。
はて、神社はどこだ?
大きな鳥居があるだけで、本殿が見当たらない。
よく見ると、舗装道路が続いている。
よって、ぷらぷらと歩いてみた。
これが間違いだった。
えらく遠い。
しかも気がつかなかったのだが、100円でのれるバスが走っていて、2,3度追い抜かれる。中には、出羽三山を巡礼しているのかお揃いの行者風の白い服を着た集団が乗っている。
「歩いたほうがご利益があるんじゃねえか?」などと憎まれ口を叩きつつ、歩くこと二十数分、汗だくになって到着。

本殿は・・・
なんでも語らずの秘所と言われているらしく、伝統にのっとって何も書かないが、一見の価値があった。
穢れを落とし、生まれ変わる場所であります。

帰路はもちろんバス。らくちん。

その後、一路山形をめざし13号を東へ。
しかし、寒河江市付近ですでに15時を回り、本日強行帰宅するか、予定を覆して延泊するか選択を迫られる。
まあ、明日も休みとってるし、なによりずっと運転している相方が疲れきっているようなので、相談の上、山形に止まることにした。
この直前まで長い帰路を考えて二人とも言葉には出さずもげっそりして、テンションが下がっていたのだが、決断してすぐにホテルをとってからは、一気にテンションがあがる。

山形市にはいり、ホテルにチェックインしてすぐに、チャリにて市内へ繰り出す。
さすがに県庁所在地だけあって、鶴岡・酒田とは人の数が、店の数が違う。
あまりに都市然としているので、ウキウキしてしまう。

とりあえず山形美術館へ。
公園のなかにあって、チャリで爆走して向かうには快適。
中身もなぜかフランス印象派が沢山あり、見ごたえがある。
ゴッホやモネ、ルノアールなどごろごろと。
なかでもシャガールは弾数が多く楽しめた。
一番良かったのは、シスレーの「モレのポプラ並木」。
一列に並んだポプラ並木にさす光の色彩が美しかった。
心地よい風が抜ける夕方にも見えるし、5月の爽やかな朝にも見える光の具合。
気持ちが洗われるようで、すっきり。

その後、とにかく街をチャリで爆走し続ける。
車では見落としがちなところも見れるし、歩きよりは断然行動半径が広く、見知らぬ街では自転車が楽しいということがよく分かって、新鮮な気持ちである。
おしゃれスポットもあり、官庁街もあり、飲み屋街もあり、街の概要をかなり掴んだ。
自分だけかも知れないが、未知の街の白地図を塗りつぶすようにグルグル回るのはかなり楽しい。
惜しむらくは、予想した場所にピンク街が見当たらなかったことだ。
駅と飲み屋街との位置関係から予想した場所にはなかった、一体どこにあったのだろう・・・

とチャリで爆走しつつ、3日目の夜はふけてゆくのでした。
実は、この日が一番旅気分が高揚していたのでした。