東電OL殺人事件 (新潮文庫)

東電OL殺人事件 (新潮文庫)

ジャンル:ノンフィクション 
お薦め度:★★★★☆
当時は、外国人が犯人ということに若干の違和感を覚えた程度で、
若かったせいか、興味もなかった。
社会人になってしばらくたった現在読んでみると、非常に興味深い。
エリートの挫折と転落、その後の極端に走りすぎる被害者の行動を
通して、現代を浮き彫りにしようとしている。
基調としてながれるのは、坂口安吾の「堕落論」である。
てことで、3日ほどで読了。
ときおり美文調となること、登場人物の心理推測に「そうか?」と少し抵抗を感じる
ことを除けば、力強い文章でぐいぐいと読ませる。
最後に、一審での容疑者の逆転無罪判決で本は終わるが、
検察の上告により裁判は継続中、しかも2審は有罪判決がでている。