リーマンアパシー
肌寒い一日。
暇人の週末第2週は、羽毛を干したり取り込んだり、夏がけを干したり取り込んだり、妹に昼飯を食わせたり、ひきこもったりしながらダラダラ進む。
というか無気力に近い。
よく言われるスチューデントアパシーってやつか。
やりたいことが見つからない、気力もない。
発作的な1日アパシー。
っつうか、おれはもはやスチューデントじゃねぇや。
社会人だ。
ってことは、社会人アパシー。
リーマンアパシー。
うむ、無気力かっこ悪い。
といった調子で夜になり、車を運転してプールへ向かう。
ダラダラと、無気力に、法定速度で。
すると、田舎の一本道でスモークをはったヤンキークラウンに猛烈に煽られる。
その距離1メートル後方で、左右に揺れながら威嚇してくる。
まぁマーチに乗ってる以上よく煽られるわけだが、むかつかないわけではない。
意味もなくブレーキを踏んでみたりする。
右折のウインカーを早めに出してノロノロと曲がったりしてみる。
この時点で、無気力はどこかへ消え、本能だけが全面に出てくる。
おい、追い越して斜め止めしてオレを車から引きづりだせよ。
いいぜ、やろうぜ!
その代わりおれは死ぬ気で行くぜ、もちろんお前を殺す気でいくぞ!
まぁ現実は、煽るほうも煽られて抵抗する自分も、そこまではいかないことがわかっての行動だ。
田舎道の茶番劇。
無言の暴力衝動の発露と拡散。
崩れることのない予定調和。
何がしたいんだオレは。
どこに行きたいのだオレは。
あ、プールか。