置き去りにされる人びと―すべての男は消耗品である。〈Vol.7〉村上龍
はたしてレビューする必要があるのかわからないが。
以前から村上さんは5年後についての発言をしていると感じていた。
今回も同じ。
サラリーマンをしていても、よく考えないと将来は暗いよ、と繰り返しアナウンスしている。
確かに、そう思う。だけど・・・
なんちうか、感想が持ちにくいんだよね。


性交と恋愛にまつわるいくつかの物語高橋源一郎
もしかしたら、初タカハシさんかもしれない。
最近、公式HPをよく読んでいたので、ためしに新作を読んでみた。
自分が読み取れたテーマは2つ。

一つは、美の問題。
花村萬月の「ぢん・ぢん・ぢん」でも執拗に描かれていたものと同じ、もてない女(男)はどう生きればよいのか、という重苦しい話。このテーマは読んでいて非常にきつい。

二つ目は、これを取り囲む社会状況。
こちらのほうが話しやすい。
タカハシさんは常々、若くて美しい女性アナウンサーが現代の日本における女性階層のトップにいると考えている(ように読める)。
その理由は、

1、現代的に容姿が美しいこと。
2、キャリア(学歴)があること。
3、仕事の特質から、一般人ではなく芸能人に近いこと。

女性が同姓にいう悪口にたとえてみると、わかりやすいかもしれない。
・アイドルだけじゃだめ(あの子は、かわいいけど中学校しかいってないから)
・仕事(勉強)が出来るだけじゃだめ(あの子は、優秀だけど、あの顔じゃあね・・)
などなど、いくらでもバリエーションがある。

ついでに、高橋直子ヤワラちゃんとフジテレビのアナウンサーを比べてみよう。
人間的にどちらが優れている?好感がもてる?
と聞いたら大概は、前者を指すと思う。
じゃあ、生まれ変わるなら、どっちになりたい?
と聞いたら大概は、後者を指すと思う。
金メダルも恋愛至上主義の風潮のもとでは、価値の暴落を起こしてしまう。

(なんだか書いていて非常にげんなりしてきた。自分が嫌な人間になった気分だ。)

まぁ、そういうことです。
いまのマジョリティの価値観がそうなっている。
そして現代に生きる以上、時代を無視することはできない。
ということです。

それをどう考えるか、は個人の自由であり、この本はそれを問われている気がする。
じゃあ、どう考えますか?
で、どうしますか?
どうしましょ・・・